SSH(卒業生の活躍)
【SSH卒業生の活躍】No.2 A.Dさん(42期生)
☆SSH指定期間に活動した卒業生の活躍を、定期的に更新していきます☆
A.Dさん(42期生)
卒業年:2022年卒業
所属:横浜国立大学 理工学部 数物・電子情報系学科 数理科学EP(2026年1月現在)
大学院:横浜国立大学大学院理工学府数物・電子情報系理工学専攻(2026年4月現在)
研究について
大学では、曲面について研究しています。曲面とは、球の表面や円柱の側面など、3次元の空間に広がる面のことです。研究で対象としているのは、少し変わった空間の曲面で、図1のような曲面を扱っています。

図1
この曲面は、ある曲線をもとに作ることができます。図1の曲面は楕円から作られています。他にも豊富に例が存在し、図2のような関係になっています。

図2
図2の(1)は円から作られているもので、(2)は楕円から、(3)は定幅曲線から作られています。定幅曲線とは、どの方向から測っても幅が一定の曲線です。円もこれに該当します。これらの曲面の大きな特徴としては、“曲線を用いて曲面の性質を調べられる”という点があります。図3について説明します。

図3
図3について、(4)と(6)は青い平面に関して対称ですが、(5)は対称ではありません。(4)と(6)は、定幅曲線から作られていましたが、(5)はそうではありませんでした。このように、曲線の性質が、曲面の対称性に反映されていることがわかります。
なお、今回紹介した内容は、ミンコフスキー空間という、普段私たちが考える空間とは少し異なる空間で考えています。紹介した曲面は光的曲面と呼ばれ、通常の曲面とは異なる振る舞いをします。私は、そのような不思議な性質を持つ曲面を対象に研究をしています。
SSHと私
SSHの経験と、それ以降の大学での活動について説明します。
・SSH
高校2年生の時、日常に潜む数理の研究ゼミ(以下、数理ゼミ)に所属していました。当時、Classiを利用していて、使いづらさを感じていました。それを改善するために、Classiの代替となるようなアプリの開発を、同じゼミのメンバーと行なっていました。結果的に、メンバーがめちゃめちゃ頑張ってくれたおかげで、第2回IBARAKIドリーム・パスで金賞を受賞しました。一緒に活動をしてくれたメンバー、支えてくださった先生方に、今でも感謝しています。
このSSHでの活動を通して、学校外の人と関わったり、チームで協力をするという経験ができました。その中で、自分ができることの少なさを実感しました。その結果、大学入学後は色々なことに挑戦しようと考えるようになりました。
・大学での活動
大学1年生から、学生委員会に所属し、さまざまな活動を行いました。新入生向けのしおりの作成、オープンキャンパスでの学生企画の統括、企画の実施、副委員長など、自分の興味を持ったものに対しては、積極的に挑戦するようになりました。特に、オープンキャンパスで企画の統括を行った際には、大学職員の方々と学生委員会の間を取り持つような役割を担いました。委員会側の意見や大学職員側の意見をまとめながら進め、無事成功させることができました。

図4 1年生の時のオープンキャンパスの様子

図5 当時作成したしおりの表紙
他にも、教職課程、副専攻プログラム(別の学科の授業を履修できるプログラム)や、ROUTEプログラム(2年生から研究室に参加できるプログラム)に参加していました。3年生の時には、成績優秀者の表彰ももらいました。当時は学生委員会と並行して履修していたので、まあ大変でした。
振り返ると、学生委員会から大学の授業まで、さまざまなことに挑戦できたのも、高校生の時に挑戦をした経験があることが大きいと思います。そういった経験があるだけでも、何かを始める際の敷居は低くなります。SSHでの経験から自分に足りないものが多くあったこと、それを変えるためにさまざまなことに挑戦しようと思えたこと。これらがSSHから得られた学びや視点だと思います。
後輩へ
大学のことと、数学科について説明して終わりとします。
大学に入ってからは、高校までと異なり、自由な時間がかなり増えます。自分から動かないと何も始まらないので、大学進学後は積極的に色々なことに挑戦してください。大学の学祭に行ってみても良いかもしれません。雰囲気を感じ取れます。
次に、数学科について補足します。大学での数学は、高校までの数学と異なり、理論についてじっくりと考えます。入試問題で出題されるような難しい問題を解いたりするのではなく、その背後にある抽象的な概念について深く学びます。今考えているものの性質を一般化し、抽象的なものについて考えることが多いです。例えば、「三角形」といった具体的なものを考えるよりも、「距離とは何か」、「どのような性質を満たすものを距離と呼ぶのか」のような、根本的な部分について考えていきます。このように、一般的な形に広げていくのが大学の数学だと思います。
ここまでの、大学やSSHに関する内容が、進路を考える上での参考になれば幸いです。